


私は広告が好きだ。世の中には素敵な広告が沢山ある。一方で忌み嫌われる広告も沢山ある。そのうちよく見られるのが、ネット上の悪質な広告群だ。一方的に目に入り、見たいコンテンツを邪魔し、コンプレックスを刺激するように思想を押し付けてくる。これらの広告には私も辟易する。 もし、これらの広告が美術館に展示される名画に重なるように表示されたら。それはもうディストピアの幕開けではないだろうか。芸術には作者の思想もある一方、受け取り手の解釈の自由があり、上記の悪質な広告とは真逆の存在だと私は思う。その対比をAI生成画像(実際の悪質広告でもよく使われる)をポン出しして作った架空広告と長い時間をかけて作られた一点物の名画で表した。奇しくもこの名画たちは全く関係のないパロディ広告でもよく使われる存在でもある。また、名画に対して広告もネットでよく見られる有名なものをモチーフとした。 しかし、この作品では広告を消すと偽物の名画が現れる。それはこのような悪質な広告がつけられるコンテンツは、その中身も往々にして薄いことが多いという印象からだ。現れるのが顔文字なのはネット文化からの引用と、単純に可愛いので胡散臭い架空広告を見せられた後の清涼剤となるように。ポップアートの文脈でもある。 このディストピアが実現しないことを切に願って。 作品概要: 広告をタッチして消すことで名画が鑑賞できるインタラクティブ作品。openFrameworksとStable Diffusionを使い制作。
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